うちよそif派生の“お姉さん”の話
わかりにくいからコードネームつけたろって意
ちょいちょいR18文字を挟む
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今回の私は、何か違った
あの日から…不可思議な事件の被害者…その青年が黙々と解体されるのを見てしまってから、私は彼と彼のされている行為に一目惚れをした。
そこから
“悪魔”は私に囁いた
私の想いは非常に強かったらしく…時間操作を行なって…彼を“保護”して…“愛し”て…また過去に戻る。
そんな事が可能だったのだ。
代償は…心が満たされた後の私の命
そして…“本当の私の未来”
…眼前に広がる楽園は全て偽物
嘆かぬ世界も、彼の命も…この体温も…
…それでいいじゃん。
どうせ本物を生きたって、この楽園は味わえない。
どうせ本物の世界は、口封じで殺される
だったら…ここで好き勝手してやればいい
満たされなきゃ…永遠だもん
私は…手当たり次第…彼を“食べた”
何度か回った時、彼、東君の散歩に出てた時
あの男に出会った。
男は驚いて、私と東君を何度も見た
…さっさと殺して回し直さないと危ないかも
そんな思考を他所に、男は大変興奮していた
勿論。全裸で首輪を付けた四つん這いの東君は、絶望と興奮と焦りで絶頂を迎えた。私の調教の賜物ね、可愛いわ。
そんな東君を見て…息を殺して、震えるように男は言った
「…か…可愛いワンちゃんですねっ!」
…理解した、彼は私と同じなのだ
“男の体”を持つ…“私”なのだ
「貴方も愛でたい?勿論…世界には内緒で…」
「…貴女は…?」
「私?…ふふ、悪魔との契約者♡共犯になりたかったらここに来なさい?待ってるわ」
住所を書いた紙を男に渡す。最悪すぐに過去に戻れるようにして…
躾通りに痙攣する体を抑えながらアスファルトにぶち撒けた己の精液を舐める東君
リードを強く引っ張って、我が家に帰るよう促す。今日は残してもいいわ。
男に見向きもせず、そのまま歩く…とても静かな夜だった。
次の日から…男は1人でうちを訪ねた
男は己の欲望を私に余す事なく伝えた…土下座までしたのよ!
こんな屈強な男を従わせるなんて!気持ちの良いこと!!…って思ったけどどっちかというと私細身の方が好きなのよね。
けれど男の願いは私にピッタリだった。拒否する理由なんてなかった。
男に壊される東君は…とても愛おしかった
それから回るたびに、その日その時間に散歩させては…男と出会った
名前の知らない男。私の唯一の理解者
“お兄さん”“お姉さん”と呼ばせては…至福の時間を過ごした。
無論。私は願った
彼を…共に過去に連れていきたい
今連れて行けるのは…“物”だけだった
だからもう一度、悪魔に願った
答えは簡単だった
「…て事なの。貴方が良ければなんだけど…一緒に回らない?」
「…どうせその話が本当なら、今居る俺も元の世界から外れてんだろ?いいぜ?俺も遊びたりねぇ」
「よかった!貴方ならきっと着いて来てくれるって信じてた…だから…ね?」
悪魔「えぇ、2人とも…契約してあげる」
男も契約者になった
一緒に…一緒に過去に戻れるようになった!
嬉しかった。全部話す必要も、こいつの同じ意見も、行為も繰り返さなくていい
何より…私は1人じゃなくなった
そこから…ちょいちょい拾っては使って捨てていた小さな悪魔ちゃんも本格的にうちに呼んで…ずっと遊んでた
そして、今回の私は、何か違った
正確に言えば…男が違った
「て訳で、コードネーム決めてぇなって!」
「なんで今更…」
「そう、今更なんだけどさ…今だからなんだと思う。俺達…名前覚えてっか?」
「………???」
…言われればそう
私自身の名前がわからないのである
だって必要ないんだもの
「それで慌てて俺、元職場とか…借りてたマンションとか見に行ったんだけど…ねぇのよ、俺の痕跡が」
「…私…何名義で部屋借りて…そう!!クレカや保険証は???!!?!」
慌てて見る
まるで塗りつぶされたように、全てがぼやけて認識できない
「市役所とかは怖くて行ってねぇが…ここの水道代請求書も名前がぐちゃぐちゃになってる…が動いてるんだわ、荷物を頼んでも“モニャニャニャ様ですね〜”って!!
確かにそれは“俺だ”と思って受け取ってるんだよ、けど思い出すとなんて言ってたかわっかんねぇの!!」
「…まるで夢の中みたいに…」
「これが…悪魔の作った世界か…と思ってさ…」
認識していなかった
認識していなかったからこそ、今がとても怖く感じる
この世界が…急激に牙を向く…
「…だから…自分たちの名前をつけようって事?」
「そ!無ぇんだったらさ、勝手に付けちゃっても問題ないんじゃね?って…」
「…天才か??いいじゃんそれ!!それで行こう!!あーーー怖かった!!私が発狂するとこだったわよ!!」
「な!!怖かったから今回はでろでろに甘やかそうぜ、2人」
「いいわね!…ふふん?そのためのディルドでも買ったの?…ってそこじゃなく…付けるったってどんな名にするのよ?」
「俺それ決めてきた!」
「ふぅん?何?」
「俺がバベル、あんたがカラクム!(ドヤ」
「…厨二臭wwwバベルって…ご自慢の塔が崩れちゃうけどいいのかしら?」
「天に行かずに地に突き刺すからな?俺の!
ってとこじゃなくて…まぁどうせ…本当の俺は壊れてんだろうし、今の俺も壊れてるんじゃね?ってさ!」
「あんたがそれなら良いわよ、で?カラクムって?」
「砂漠の名前だとよ!有名な…燃え続ける“地獄の門“がある砂漠さ」
「!…有害ガスが出続けてるから火を放ったら消える気配がない大穴よね…?それが私?…ふふ、良いじゃない!塔と穴…ね?」
「らしいだろ?」
「いいわ!採用。じゃあ…忘れないでね?バベル。あんま聞きなれない名前だから…」
「おうよ、カラクム。へへ!なんか良いな!この感じ…!」
「ふふ…そうね…さぁ!保護しにいきましょう?私達の愛しい子を…!」
…今回から、私達に名前がついた
きっとこれは、何かの変わり目…
でも気にしないわ、私は…やりたい事をやるだけ…
燃え尽きることのない大穴だもの
永遠に使い潰してあげるわ。