旧世界★【深淵世界】「放浪者の手記_01」より
続き、先へ進んだ器の話
深淵世界からR旋の世界へ向かう話
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コン「…眠れたかい?」
これがCの合言葉。もしこのデータをロードした時、きっと俺は目が覚める。
そしたらコンラードの言葉に「眠れたよ」と返す…
それはこの世界にまだやり残しがある合図
やり残しが無い、これから進む俺たちの合図は…
rr「もう寝れないさ」
コン「…よろしい」
さぁ、旅が始まる
コン「…こちらの世界では魂についてのルールがある…詳しくは配布した資料…または転生先の子に聞くといい」
gg「転生…かぁ…俺の最後はrrroが〆てくれるて…」
rr「最後じゃねぇからだろが」
コン「お!死の直前の快楽に興味が?うふふいい趣味じゃない〜私も好きよ〜
安心したまえ、1、2回なら死んでも問題ない体だ…初回ボーナスとして残機は100体与えよう。こちらの旧世界の魂だ、向こうに影響はない」
rr「あんたもそっち系だったか…」
コン「そうよ♡」
黒「…てか俺は残機性なのが怖いが…?!」
rr「確かに…無駄に死にまくる事は出来ないな…」
gg「俺的にはありがたい…けど…いっぱい裂けない…ぐぐ…」
コン「君達が与えられた仕事をこなせば自ずと残機は増えていくよ。…君達の属性は“悪魔”だ、魂を喰らいつく厄介者」
gg「えぇ〜…」
コン「けれど君らの上司は“天使”と協力を得てる。君達は上司ちゃんの元で魂を喰わずに力を得て生きていく事になる…正確には…
悪魔は“願いを叶える”代わりに“魂”を食すが
君達は“願いを少し叶えて”から“魂の一部”を食す
と言う事になる」
rr「…つまり?」
コン「悪魔でありながら、人の願いを叶えて生計を立てていく“神様”みたいなポジになる」
黒「神!!俺まじで神になれんの?!」
rr「やったじゃん!最初から俺は神になるって言ってたもんなお前www」
黒「半笑いで言うなし」
コン「悪魔としての生まれだから…最初は光無き真っ赤な世界に飛ばされると思うけど…そこで待ってる“彼女”に従って動いて、そしたら…その先は光溢れる世界さ」
gg「光溢れるって…俺ら的には怖いんだけど」
コン「大丈夫。あの光は我々を焼き殺す事はない。強く眩しく感じる事はあるだろうが…身を焦がす事も…灰にされる事も無い」
rr「…あんたも…光に殺される派閥?」
コン「その通り。驚いたよ、初めて転生した時は…ね?」
黒「先輩がいるってんだったら安心だな、で?上司は女性?」
コン「そ。名前は擱稲(オイナ)。九尾の狐
…君らのスポーン地点で待機してるからすぐわかるよ」
rr「擱稲…わかった。…コンラード、お前も向こうにいるんだよな…?」
コン「あぁいるよ。…だいぶ年齢は低い状態だけどね…会えたら色々説明するよ…さ、もういけるよ」
rr「…よし、行けるか?gggo、黒」
黒「問題ねぇ」
gg「こっちも準備万端!!」
rr「よし」
コン「あぁ!忘れてた!」
rr「…なぁんだよ締まらないなぁ…」
コン「君が言ってた“涙”の事、理解したよ」
rr「ん?」
コン「空…天高くから落ちてくる水滴の事を指していたんだろう?あれはこの世界では“雨”と呼ぶんだ。そして“涙”は生命の目から溢れる生理食塩水の事、覚えておくといい」
rr「おぉ、だから微妙な反応してたのか」
黒「じゃああそこは…雨の都か」
コン「そこが変わってると大変だろう?ま、すぐに覚えるだろうけどね…じゃあちゃんと…旅立とうか」
rr「あぁ、行こうか」
そこから。随分微睡んだ
懐かしいこの感覚は、きっと夢の中
足場は無い。光もない
殻を蹴破るように、生まれるように
かつてのあの時には無かった温もりと共に
そうして俺達は悪魔として生まれた
gggoも俺も、なんだか昔の姿に近かった
ちゃんと俺の中に黒がいて、心地よく、満たされていた。
一目でわかった“擱稲”さんは、俺達を見てぴょんぴょん跳ねた。
抱き抱えられた時はびっくりしたけど、いい人そうで何より
gggoはゴートン・ゴメイザという名前
俺達にはロー・レオニスという名前を頂いた
これは悪魔名、所謂真名だから知られると呪いに使われるらしい。
だから擱稲は、己の環境に合わせて
gggoに五鈷杵(ごこしょ)
俺達に六器(ろっき)と名付けた。
神に使える者の武器なんかの名前らしい
ついでに服なんかも作ってもらっちゃって、gggoはすげぇ神々しくなった。本人嫌らしいけれどw
少しだけ…あの世界の“王”みたいな姿をしているので気に食わなかったが、gggoが王になったらそれはそれは楽しい世界になったろうなと考えた。きっと混沌だぁ
俺達は俺達なりに「ごご」「ろろ」「くろろ」と、もしくはgggo、rrroと呼び合えた。不安なく過ごせた。
やがて“現世”に出た俺達は…まず目が潰れた…
“光”だ
あんなに憎んでいた…俺が壊さなければならなかった光が、そこにある
確かに…眩しくて痛いが…暖かい
かつて光を信仰していた奴らが…これを欲しがるのがなんとなくわかった気がした
gg「こりゃ…慣れるのに時間がかかりそうだ…」
黒「俺…ちょっと俺に体貸してよrrro!!」
rr「おぅ…体感してみろ…」
俺と黒は、体の主導権を交換できた
昔のように…省かれる事もなく、すんなりと…入れ替えれる
黒「ぉあ゛!!!!…まぶし…」
2人とも、この世界で生きていけそうだ…
擱稲「うんうん…!無事こっちに来れたのぉ!ほれ!あれがうちの家!であの子がうちと仲良しっぴの天使ちゃん!」
天使「どうも。私(わたくし)竹と申します。以後よろしく…」
rr「あぁ…よろしくお願いします…」
竹「おぉあかんあかんて…協力してても天使と悪魔、握手なんかしたら両方弾け飛んでしまうわ?」
rr「あぁ!!すみません…」
gg「まじ…慣れないもんで…」
竹「ふふ…いい子達じゃない?任せて大丈夫そうね?擱稲ちゃん」
擱稲「でっしょ〜!!陰陽ちゃんに大黒さんぽい子!私にピッタリ!
イイ悪魔に育ててあげるからねん」
竹「ふふ。あんたを正式に神様ごっこさせて正解だったわ、今後も人間の監視、よろしく♡」
擱稲「勿論!天女様♡」
…なんだかそっちもそっちで色々ありそうだが…きっとそれは別の話で出てくるだろう
俺達は、俺達にできる事をした
この場所には、願い事を抱える“人間”が来る
神社と呼ばれる神域だそうだ。
全部叶えちゃうと不審がられるから、少しだけ背中を押すように叶える。
“悪魔契約”は契約者の想いが魔力となり、大抵のことなら悪魔は叶えることが出来る
本来であれば叶ったらそいつの魂を喰って生きるのが悪魔
けれど擱稲は天使の竹と契約を結んで、不用意に魂を捕食できない
だから、参拝に来る人の生命力を少しずつ食う事にした
参拝者の“信仰力”は天使にとっての飯だ
神社で集めた“信仰力”を竹さんに渡し
代わりに参拝者の少しの命と…インスタント魂なる物を貰う。
美味しくは無いが腹には溜まる。勿論残機も増える
こうやって擱稲さんは生きてきたらしい。
俺達は神々しい姿を身に纏って人間を騙して願いを叶える…まぁ悪くは無い
コン「馴染めたようだね?ロロ君」
コンラード…随分と小さな体だが、中身は変わらない
rr「ま…このくらいならなんとでもいけそうだ、就職先も悪く無い。…器としても何も問題はない」
コン「そ、なら…お友達を呼んでも大丈夫そうだね?」
rr「あぁ。…俺が直接行ってもいいか?」
コン「勿論構わないよ?その方が、彼も安心だろう」
rr「あぁ、…今までのぜーんぶ説明して…あいつを勧誘してくるか…」
そうしてこの神社に、器がもう1人集まる。
…やがてあの時の器を集めたいな…そんな夢物語を浮かべながら、友を迎えに行く。
(他愛のない日常の手記)
やがて、少年が1人。この町に来た
繊細な花のように脆い。柔らかい螺旋の魂
ファフニールさんからの伝言だ。彼は天界での護衛対象
コンラードから、やがて会えるとの知らせが来た。俺達も守らなきゃならないらしい
問題無い。次の役目は楽しそうだ
我ら深淵より来れり者
悪しき光に、静かなる救いの闇を
“神”の言葉を携えて、次の出会いに魂を振るわせておく。
(手記はここまでのようだ)