前描こうとして長くて諦めたやつのリメイク版
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あぁ神よ。貴方はどうしてそんなに残酷なのか
私が死んで数年、元から悪意に塗れてた私の魂はすぐさま腐って悪魔になった。
しばらく変な悪魔達と一緒に“生きて”きて、段々魂を奪う事にも慣れて来た
そんなある日
またもや人間さんの願いのお呼び出しだ
“嫉妬”の私が呼び出される場合は大抵楽な願いじゃ無い。相手を殺してはい終わり!みたいな簡単な依頼が欲しいわ
「あぁ神よ」
「どうか私の願いを…」
「ロドリゴの病気を治して…彼を連れて行かないで…」
…ロドリゴ?懐かしい響き
でも名前が同じなんて事はこの世界いくらでもある
でも
でも
この女を私は知ってる
マイア「…オクタヴィア…?」
オクタ「……ナ…ナディア…?」
あぁ、最悪
私は昔、ロドリゴ君が好きだった
この女、オクタヴィアも好きだったらしい
学校が終わって帰り道、2人で口論になった
先に彼を愛したのは私なのに!
揉み合いの末、オクタヴィアは私を崖から突き落とした。私は…ナディアは即死だった。
そんな、そんな事をして私を殺した女が、あろう事かロドリゴ君の名を口にし、私を召喚したって訳…?
オクタ「な…!なによ!化けて出てきたって言うの?!あ…あんたが勝手に死んだんじゃ無い!!!今更出てきて何よ!!ロドリゴはあたしの物よ!あんたなんかに…!!」
マイア「…うるせぇ」
マイア(?)「今私は召喚者を殺さない様に耐えてんだよ。ぐだぐだうるせぇ。願えよ。人間」
…やっちった
私今悪魔なんだっけ、てへ。まぁいいわ、こいつの間抜けな恐れ慄く姿が見れただけよしとしよう…
さて、召喚者が召喚時に気絶することなんてよくある事、その為に記憶を漁るってのもお手のものだけど…こいつの記憶見るのやだなぁ…
…なるほど、あの後何事もなかった様に私は事故死して、念願のロドリゴ君をゲットするも、新婚生活はガッタガタ
極め付けにロドリゴ君は病に臥せて意識不明の重症…そうこうしてるうちに周りは幸せな家庭を築いて焦って恨んで悪魔召喚…へん!私の呪いだって思ってんのが可愛い奴ね
…でもロドリゴ君が辛い思いするのは嫌
願いを叶えてあげないと魂も奪えない
しかたないなぁ〜この心優しいマイアちゃんが、てめぇの願い聞き入れてやるよ。
契約成立だ
…とは言ったものの…病といってもウイルス系だから、ウイルス君達の魂を奪う(?)方式で除去出来る訳だけど…既にロドリゴ君本人の魂が消耗しすぎてて、ここで完治してもすぐに死んでしまうだろう…
出来る事は、既にリセットされた純粋な魂をロドリゴ君に分け与えて魂の時間を補充する…しかない
そこいらの適当な魂だと他人の記憶や精神が引っ付いてきてしまう
今後の生活に支障をきたす可能性がある…
純粋な魂がある所といえば…天使の倉庫…
…悪魔である私がわざわざ天使のお家まで行って魂を盗んでくる…?死にに行くようなものでは…
しかし虎穴に入らずんば虎子を得ず…
子供の霊として入れば行けるか…?
どう思う?アルデバラン様?
_無謀じゃない?捕まったらどうするの?
(影マイアの姿)
したら私黙って死ぬから…新しいマイアを作って…
_覚悟がすごいじゃん…私応援するね!
えぇんアルデバラン様なんか出来ないの?!
_だって私“マイア”の魂だもの、貴方に出来ない事はこの体じゃ出来ないし、本体を動かすわけにもいかないでしょ?アドバイスはできたらするから、捕まらない様に頑張って…
_あとはアルキオネ君とかに聞いてみたら?直接天界に行くとか言うと止められると思うから、潜入するポイントは?とか聞くの
いいね!じゃあそうしよう!マイアちゃんの潜入任務の始まりだ!!
…そんなこんなで天界まで来たけど…処理待ちの人間の数すごいな…
こんなに詰まってるなら少しくらい悪魔にわけてもいいじゃない…まぁいいや
事前情報だと…ここから抜けられそう…気に食わないけどメロぺにも聞いててよかったわ…あいつの奥さん君、ここから抜けたのね…
よっと、OK。後はこの廊下を天使にバレない様にかつ、迷子を装って魂の倉庫に向かうのみ…!!
ここからは潜入!できる限り物陰に…天井も気をつけながら…角に気をつけて…
ローゼ「あら?迷子かしら?(背後)」
マイア「ギャピーーーーー!!!!!!!!」
うっっっそ??!??えっ!!???居た????マイアちゃん一生の不覚…!もう一生では無いけど…こ…こんなとこで終わってたまるか…!!
マイア「あっ…えっと…た…魂の倉庫ってとこに行きたくて…!」
ローゼ「あら?どうして?(しゃがみ」
マイア「あのっ…生前の友人との約束で…死んだら純粋な魂の写真を撮って…いろんな方法で生きてる友人に見せる…っていう…」
いや無理があるわ、サヨナラみんな…私の人生も悪魔生も短かった…
ローゼ「あら素敵ね!いいわよ案内してあげる!」
は?
いやいやチョロすぎねぇかおばあちゃん大丈夫?
まぁでもよかったわ…羽の生え方的に元人間かな…?孫でも居たのかね
まぁラッキー!これでなんなく場所まで辿り着ける!
…本当に着いた。大丈夫?警備ガバすぎん?
けれどこのおばあちゃんがいる限り、奪って帰宅は難しそう…ここはアルキオネ直伝の敵を排除する方法を使うか…ごめんねおばあちゃん
マイア「おばあちゃん!一緒に天使も撮りたいから…あっちの方に行ける?」
ローゼ「えぇいいわよ!綺麗に撮ってね!」
…背中を向けた、イケる。じゃあなっ…!!
(回避され逆に組み伏せられるマイア)
ローゼ「…で?お次は何をするの?悪魔ちゃん」
ウッッッッッソ何このばぁちゃん強…えっ気付いててここまで呼んだの…?えっ動けな…
ローゼ「貴方ね、潜入するのはすごいけど、もう少し気配を消した方がいいわよ?特にスパイ活動なんかする場合、心の底からその場所の人になり切らなきゃ…さて何しに来たのかしら?聞く前に排除してもいいけれどっ!」
マイア「あだだだだだ!!!!ごめんなさいごめんなさい!!!!まって!!!ひと助けがしたかったの!!聞いてぇ!!」
…黙って死ぬなんて無理!畜生!!
ローゼ「ふぅん?やってる事は悪魔通りの契約内容なんだけど、その青年君を生かしたい…って訳ね…人の寿命を伸ばす悪魔なんて珍しい子」
マイア(正座)「ぐぬぬ…だって願いを叶えなきゃいけないし…あの子は本当に生きてて欲しいから…」
ローゼ(このまま殺してしまえば天使的に大量の魂の回収が出来る…けれど…けれど私的に悪魔が捕食した人達の把握もしておきたい…あの人の情報も得れるかもしれないし、ここは繋がりを作ったまま泳がしておくか…?)
ローゼ「そう言う事なら良いわよ。ひとつあげる」
マイア「本当に!!!?」
ローゼ「でも条件があるわ、契約終了後のその召喚者の魂は、我々天使に寄越して」
マイア「…えっ…えぇ?!それじゃ私収穫無しになr」
ローゼ「ここで貴方を見逃してあげる代わりって訳よ、貴方をここで殺せば私は沢山の魂を収穫できるの、でもそれじゃ貴方も貴方の友人も死んでしまうでしょ?等価交換以上の交渉内容だと思うけど?」
マイア「オァ」
ローゼ「そしてついでに貴方を私の監視下に置くわ、まぁ全部の契約を見張るなんて出来ないけど、時々お話や情報交換しましょう?」
マイア「エェ…」
これは実質ずーっと捕まってるって事では…
でも…条件は悪く無いし、最悪プレアデス団全員で挑めば最悪勝てる…ここは条件を呑んで穏便に行く…?
_その方がいいだろう。ここじゃ応援も呼べない…今回は収穫無しでもいいから…次に活かそう
うんうん。そうしよう
マイア「…わかった…おばあちゃんも随分やんちゃね?そんな事してて大丈夫なの?」
ローゼ「ダメだったら速攻貴方を〆るわ!安心して、生前から子供であっても殺さなきゃならない経験を幾度もしてきた私だから、出来るだけ苦しまない様に的確に殺してあげるわ」
マイア「ピ」
ローゼ「さ、急ぐんでしょ?このくらいの魂なら丁度いい長さになると思うわ」
マイア「あっ!そうだっ……うん!ありがとうおばあちゃん!絶対魂持ってくるから私の事殺さないでね!!!」(走りぎわ台詞残し)
ローゼ「元気な事ね…、さて。ロベリア、聞こえる?あの子の追跡を行うわ」
ロベリア『…君は優秀すぎて恐ろしいよ。しくじるなよ?間違えれば君は僕の部屋の装飾だ』
ローゼ「あら、綺麗に飾られるにはまだ早いわよ?うふふ」
さ、て、
ロドリゴ君の病室まで来ちゃった
ロドリゴ君は…眠ってる…
あーあ良い男になっちゃって…まずは…
こーんなウイルス共の魂じゃ腹も膨れないよ…でもこいつらこの程度で人間殺すんだもんな…怖
あとは…魂の補充…うん。大丈夫
寿命も伸びた
…
悪魔にキスされたなんていったら、腫れ物扱いされちゃうよね…
でも
それでも
…へへ、悪魔の印付きだぞ!変なやつに魂奪われちゃダメだからね!
長生きしてね…幸せに…ね…
ローゼ(…隠れてついてきたけど…本当に大切だったのね…かわいそうに…あんな子まで悪魔になってしまうなんて…それはともかく、彼女はまだ純粋。使えそうね…それより問題は…)
(ローゼが投げナイフ、人影の横の木の幹に刺さる)
ローゼ(誰だか知らないけど私にも監視がついているようね、いつからかわからないけど…これ以上の深追いはやめときましょ…)(逃亡)
(…)
アルキオネ「…ふむ、私に気付いたか」
アルキオネ影_やはり只者では無い様だ
アルキオネ「ポンチョで多くは見えなかったが骨格的に50代前後の女性、マイアの言っていた天使だろう。あの身のこなしからして敵対すれば脅威になるだろう…いかが致します?アルデバラン様」
アルキオネ影_現状は保留だ。マイアを餌に、よい情報を得れる可能性もある。それに…それに“君”とは相性が悪そうだ。敵対状態の場合ケラエノを現場に送り込む。
アルキオネ「了解。マイアの護衛に戻る」
マイア「さぁて。お目覚めかな?召喚者サマ?」
オクタ「…なにごっこ遊びでもしてんのよ…縛り上げて放置とはいい度胸じゃない…そろそろ夜が明けるわ、朝になればここは集会で人が集まるけど?アンタどうするワケ?」
マイア「どうもする必要なんてないさ、既に契約は成立。最後の一仕事すれば私は帰るだけ」
オクタ「仕事…?」
マイア「あんた願ったでしょ?ロドリゴ君を救ってって。安心して、もう彼は完治して明日にはのびのびと青空を拝めるわ」
オクタ「…!!ほんとに…??!……待って…本当にアンタなんなの…本当にナディアなの…?なんでアタシの願いを叶える…?」
マイア「…あんたもうちょい調べた方がいいよ。昔からそうだ…でも1箇所は正解」
オクタ「…?」
マイア「ナディアは死んだ。アンタに殺されて。私はマイア。[深淵の星、プレアデス団所属、嫉妬の悪魔“マイア”]でわかる?…人間達には悪魔の部署分けまでわかんないかな〜」
オクタ「…あく…ま…?」
マイア「悪魔は人の願いを叶えてあげる。その対価は何か知ってる?」
オクタ「い…いや…やめて!アンタと契約なんてしてない!!嫌!!!アタシはまだ…!!!」
マイア「残念!オクタヴィア。悪魔は召喚された時に契約してるんだよ!てめぇの薄汚ねぇ魂が悪魔を呼んだんだ!願いは叶った!アンタは悪魔を召喚し、魂を奪われた自業自得な死体になるだけさ!!!」
オクタ「いやぁ!!やだぁ!!!ロドリ…!!!」
マイア「…アンタ本当、最後まで感謝も謝罪も無いもんだね…おばあちゃんには悪いけど…こいつの精神だけは喰わせて貰うわ。絶対。生かせてあげない…アンタはここで消滅よ…未来永劫ね…」
ローゼ「…で、ちゃんと持って帰ってきたけれど、つまみ食いしちゃったわけ…」
マイア「えーーーん!!ごめんなさい!!!でも魂はお還ししますぅ!!」
ローゼ「まぁ…純粋な魂にするから問題ないけど…彼女の転生の未来を奪ったのよ?」
マイア「えぇ!悪魔ですから!!」
ローゼ「天使に向かってドヤるとはいい度胸ね」
マイア「イィン…あ。そうだ。おばあちゃん名前なんていうの?」
ローゼ(…!悪魔なりたてのおチビちゃんだとしても、悪魔に本名を与えるのは危険よね…けど友好的に…)
ローゼ「…déraciné」
マイア「デラシネ?」
ローゼ「フランス語で“根無草”という意味よ」(故郷の無い者…でも間違っていないし…)
マイア「ふぅん…いい名前だね」(やっぱ本名は教えてくれないかぁ)
マイア「わかったわデラシネさん!今回はありがとう!私はMaia、星の名前よ!」
ローゼ「そう!綺麗なお名前ね!…ふふ私達仲良くなれるかしら?」
マイア「種族上無理な気がするけど…私も元人間だから誘ってくれたらお茶くらいするわよ?」
ローゼ「ふふ!楽しみね、じゃあマイアちゃん、私は魂を還さなきゃだから…」
マイア「うん!おb…デラシネさんまたね!」
ローゼ「えぇ。またね」
神様はひどい人だ!天使とお友達になってしまうなんて!
えへへ!帰ったらみんなに自慢しちゃお
今度は喧嘩なんてしたくないなぁ
________ED