もしもC軸(コンとアダマント)が出会ったら
※完全if物語。この後現代にてふつーーーーに出会えているのでいうなれば没話
(二人しか会話してないです)
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コン「…おや?君も来ていたのかい」
アダマント「馴れ馴れしいな、…随分と老けた様で」
コン「お互い様じゃないか…?…怒っているのかい?」
アダマント「…年齢の話ではなくてな、お前に確認したいことがあったのだ。いいか?」
コン「?どうぞ。」
アダマント「お前は“愚者”私は“女帝”だ」
コン「あぁ」
女帝「お前は“塔”に居たな。お前は演者だ…“吊るされた男”にはならなかったのかい?」
愚者「…そうだねぇ。私は“塔”から出ることは無かった」
女帝「お前は“運命の輪”を戻したか?“正義”と“力”は産まれたか?」
愚者「…君の話を続けて?」
女帝「…私は“力”だった。“正義”のお前を“塔”へ堕とし、“愚者”へと変える。そうして私は“戦車”へと向かい、かつての“女帝”を喰らい、新しく“女帝”となる。
“愚者”となったお前は“運命の輪”のネジを巻き戻し、オルゴールを奏で、新たな“力”と“正義”を生み出すはずだ。それが台本だ」
愚者「…あぁ。そうだねぇ」
女帝「…お前は役を放棄したのか…?幾度待とうが“力”は来ない。お前が吊られることも無い。お前はこの舞台を壊したのか?言ってみろ。お前は…」
愚者「ひとつだけ。君は間違えている」
女帝「…言ってみろ」
愚者「私達は“コンセプト”である」
女帝「…?」
コン「“3人目のシェフ”も“床屋の彼女”も“ベルマン”ですら」
女帝「…まて…」
コンスタンス「ただのコンセプトなんだよ」
少女「…それでは」
コン「私達の“舞台”は選ばれなかったのだ」
少女「未来は無かったのか」
少年「台本の続きは白紙だったのさ」
少女「…」
少年「私達はあそこで終わりだったんだよ」
少女「…どうして、わたしは生きている?」
少年「君が“女帝”で無くなったからだよ」
少女「?」
コン「観客は別の舞台を望んだ。新たな“正義”は“愚者”ではなかった。“世界”に堕ちた」
少女「…“世界”…だと?」
コン「“世界”は愚者より愚かだった。全てを掻き集めて、手元に置こうとした“傲慢”だった。結果“世界の輪”を戻さず、繋げた」
少女「…」
コン「“正義”だった“太陽”と…私である“愚者”を集め、やがて全て“正義”だった“大アルカナ”を集めた。
“世界”によって世界が壊れたんだ」
コンラード「だから。演者は舞台を終わらせて、“自分”を得れた」
少女「…」
コンラード「“名前”を得て“人生”を得て、白紙の台本に自ら書き入れる事を許された」
少女「…」
コンラード「私の名前はコンラード。君の名前は?」
少女「………アダマント」
コンラード「それが答えだ」
アダマント「…私は何のために演じていた?」
コンラード「選ばれた世界のための、実験だったのさ」
アダマント「お前はどこで気が付いたんだ?」
コンラード「…“正義”が開けるはずのドアを“世界”が開けた時かな」
アダマント「…恵まれたようで」
コンラード「私だけじゃないよ?」
アダマント「?」
コンラード「“世界”は君の隣にも居た」
アダマント「…ルーイズ?」
コンラード「馬鹿な男だろう?」
アダマント「…はっ!本当だ。お前以上じゃないか」
コンラード「ふふ、そうだろう。…悔しいね。君の笑顔すら、彼に奪われているのかい」
アダマント「お前はつまらないからな」
コンラード「あぁ、笑えるだろう?」
アダマント「全くな」
コンラード「…まだ怒っているのかい?」
アダマント「あぁ、コンラード。お前レディの容姿には言葉遣いを気をつけた方がいいぞ?」
コンラード「あっはっは!これは失礼。それではアダマント。この後お茶でも如何かな?」
アダマント「いいでしょう。面白い話を期待しているよ」
コンラード「20世紀分はございますよ」
アダマント「期待しているよ」