私は王となった この国をより良くする為に、私は動いた なのに!何故!! 民には病が蔓延し、内戦が勃発… 私の部下達は次々と死に絶え… そして昨日今日と陽の光が入らぬ様な深い霧… レナルド「何故なのだ!!ローランの呪いか?!」 コン「…おや。国王。答え合わせのお時間ですかね?」 レナルド「…答え…合わせ…だと…?」 コン「えぇ、この国の惨劇がローラン元国王の呪いのせいだと…おっしゃいましたね? しかしそれは正解であり、不正解なのです」 レナルド「貴様何を知っている!!」 コン「全ては貴方が導いた事ですよ?」 レナルド「…は?」 コン「貴方はこの国の為に、諸悪の根源を殺し、城で王が占めていた水や食糧を民に隔てなく分け与え、貿易をして移民を呼び、国を守る為に軍隊で護衛した…」 コン「しかし飢餓寸前の民には与えた恵みは雀の涙ほども無く、今までの敵対思想をぶつけてきたローランが居ない。敵がいなくなればまた敵を作る他ない、己より弱い者から食糧を奪う者が溢れ出す… 堰き止めていた水源には病原菌が紛れていたのでしょう…かつて大金を叩いて作った浄水器、これはこの城にしか無い。貴方は自分が飲んでいる水と民が飲んでいる水になんら違いが無いと思っていたのでしょう…? 貿易を繰り返して行くうちに不心得者が紛れ、民は混乱の渦に飲まれております。 ほら。全て貴方が起こした結果でしょう?」 レナルド「…っ」 コン「そうして、敵国との対立に、熱い信頼のある部下達を戦場に配置、結果老体であったケヴィン団長は戦死、まだ未熟であった私を庇ってトマスは相打ち…他にも少ない戦闘力で貴方に認められようと剣を奮い、命を散らしていった戦士達が大半です」 レナルド「…彼らを…彼らに対応しきれない戦場を任せてはいなかった…!全て適切な戦略通りの配置だったはずだ…!!」 コン「皆、貴方に喜んで貰おうと自ら戦場に向かっていったのですよ?」 レナルド「私…に…だと…?」 コン「全て貴方が示した結果でしょう? 貴方がこの結末を引き寄せてしまったのです」 レナルド「…しかし何故こうも悪い方に傾くのだ…私はそんな酷い行動はとっていないぞ…!?」 コン「そうして…先程“何者かに”殺害されたのであろうジェロニモの遺体が、外に破棄されているのが発見されました」 レナルド「…な」 コン「ジェロニモは特に民に好かれておりました…彼の死は瞬く間に国全体に広がり、怒り悲しむ国民はやがてこの城に潜り込んでくるでしょう」 レナルド「…?!…何故だ、何故民はここに来る?!私が殺したとでも言うのか!!お前はどうなんだ!!」 コン「貴方は。この国が傾きかけた時。何をしましたか?」 レナルド「…は」 コン「民は、国の危機に怯え、かつての英雄レナルド騎士団長と同じ事を行おうと必死です。貴方が示した。方法を。」 レナルド「…まさ…か」 コン「気に食わない王様など、首を切り落としてしまえば良い。と」 レナルド「よせ…待て来ている…やめろ!やめさせろ!!コンフォ…」 (暗転) コン「まだ間に合うでしょう?起きれますか?」 レナルド「……っ…あ…?っは!!貴様…?!…なん…」 コン「ふふ。驚きましたねぇ。この世界には奈落に底があるようだ…まぁ。その沼の底はわかりませんがねぇ?」 レナルド「…何故だ…何故こんな事を…私を殺したくば、いくらでも機会はあっただろう…!何故この様なっ…!」 コン「そう!殺したい訳では無いのです。では何故か。最初に申したでしょう?“余興”を楽しむと…」 レナルド「お前は…」 コン「革命を起こし、王の首を切り落として王となった人間が、どの様な結末を迎えるのか…!楽しみで仕方がなかったのですよ! 素晴らしいではありませんか!!歴史はまた繰り返す…!同じ事を同じように回して廻って!まるでオルゴールのよう!」 レナルド「…異常者め…!」 コン「違う違う。マッドハーレクイン。狂った道化師。ですよ?」 レナルド「知るか…!貴様も殺しt…ぐぅ?!」 コン「おや?まだ堕ちるのですか、貴方はどんな悪魔になるのか。また奈落に飲まれるのか…楽しみですねぇ…」 レナルド「貴様…私を…支えると…」 コン「側に居る。としか言ってませんよ?」 レナルド「…お…のれ…」 コン「あぁ!そうだ忘れてた!答え合わせですが、一点正解しているのですよ!」 レナルド「…なにがっ…正解だ…!貴様諸共堕ちてやるっ…!!」 コン「悪魔ローランが、あの国を壊そうとしている。」 レナルド「…!!」 コン「貴方を殺そうと、怨みを晴らそうと。貴方を見つけ出すまで、国民を手当たり次第食い荒らすでしょう。 でも貴方は死んだ。現世には居ない。」 レナルド「…はっ!復讐相手がいねぇってか…!」 コン「でも貴方は誰に殺された? 貴方は国民に殺された。ローランは知らない。まだ貴方が死んだと知らない。ではどうなる?」 レナルド「…まて…まだあの国には…民が…!家族が…!!!」 コン「かわいそぉ〜なレナルド様?だぁ〜れも護れないレナルド陛下?さぁねんねのお時間ですよ?」 レナルド「よせ!!家族は関係ない…!せめて…あの子だけで…も…!!!」 コン「…やなこった♡」 あぁ…いい味だった!お腹いっぱい! せめて最後くらいは我が子じゃなく国民の心配でもすれば少しは見直せたが…その程度の器だったか。 …さぁ、ケヴィン団長との約束を果たさねばね…嘘は吐きたくは無いからねぇ… 流石にあの勢いでは私の肉体も死んだかな?気に入ってたんだけどねぇ…コンフォヴァールにさよならを言い損ねたよ さて、どう上がるk 「ほぉ」 コン「……どうも」 アルデバラン「ここに来ても尚、自我を保つか…異端者よ」 コン「…ふふ。知り合いかと思ったら…ひとつ目違い(人違い)でしたか…」 アルデ「ほぉ?中身で判断したか…君は何者だ…?」 コン「……貴方の仰る通り。異端者ですよ。異星のお方?」 アルデ「…ふ…此処に来た理由は?」 コン「…迷子…ですかねぇ…?気が付いたら此処に転生していたので」 アルデ「ふぅん…私と同じじゃあないか」 コン「同じ…?」 アルデ「それで?ここには迷子ではないね?人間界へ行きたいのかい?」 コン「…えぇ、やるべき事が。」 アルデ「そうか。君が会うあの子は私の眷属だから、大事にしてね?」 コン「え…おわぁ!!」 アルデ「ではまたね、“コンラード・ラトクリフ”君」 コン「…っはは!えぇ!!ではまた今度…」 コン「っはぁっ…!!!」 ___なんだ…今のは…久々に肝が冷えたな… …戻ってはこれた…死んではいなかったか… っはぁ…でも…これはこれで…そそる状態ではないか…楽しみたい所ではあるが…余り時間は無いな… … …成程?眷属…ねぇ… コン「…ゲホッ…お久しぶりで御座います…ローラン陛下…?」 ローラン「……」 コン「…状況は…認識済みで…?」 ローラン「…お前が…殺したのか」 コン「いいえ…ご覧の通り。もう一度…革命が…笑えるでしょう?」 ローラン「奴は」 コン「貴方なら…わかるでしょう?」 ローラン「?」 コン「…死した魂が、どう…なるか…」 ローラン「…堕ちていなければ、転生…し…戻ってくる…?」 コン「その通り…しかし今…ここには…レナルドは居ない」 ローラン「あ…あいつを殺す。見つけて殺す。必ず殺す。いつまでも殺す。殺す。ころす。そう。か!転生!!戻ってこいレナルド!!俺が!!おれが!!!」 コン「…素晴らしい…それでこそ…貴方だ…」 ローラン「……痛いか。苦しいか。…お前は私に痛い事はしなかった…お前は対象外だ…あいつだけでいい…痛い…よな…?」 コン「…っはは!!あっはっはっゲハッ…っか…くく…死してなお…“己に尽くした部下”を想う…か…どちらが…ふふ…いい王…か…」 ローラン「…コンフォ…」 コン「最後にっ…貴方が復讐に…来ると解った際、レナルドは…「せめて娘だけでも助けろ」…と」 ローラン「…!」 コン「気に食わないでしょう…?彼女はロゼール様の居た部屋にいる…ケヴィン団長に…より…民を護れと命を受けております…が…貴方…も……癪でしょ…?」 ローラン「…わかった!他は手を出さん…あいつの家族だけ…あぁお前は…我が国を…すまなかった…あぁ…!許してくれコンフォヴァール…!なぁ!」 あぁ面白い。悪魔も意外と感情はあるのか。美味いなぁ。 此処まで来て、まだ私を信じて、何処にも居ない相手を恨んでいる 何処にも居ない。相手を。居ると信じて… あぁ。滑稽滑稽。 コン「………んぁ…?」 …随分早い転生だこと…さて。 次の私は誰にな… コン「…い…っだ…ぁ…あ゛…?」 …は???生まれながらに内臓疾患持ちか…?体が重い…痛い…転生性癖RTAにも程があ… …大人の手…?これは… トマス「あ!起きれたかコンフォヴァール!!よかった!!!」 コン「……トマ…ス…?…ん?…まだ…コンフォなのか…?」 トマス「大丈夫か?記憶とか飛んじまったか…?」 コン「いや…死んでいなかったのか…とね…」 トマス「あぁ、お前がローランを説得してる時にな、話を聞いてた奴がいてさ…ほら三ツ屋根のパン屋の息子さん、お前気に入って食ってたろ? 彼お前の事が気になって…レナルド王殺しの後戻ってみたんだと… ローランの姿は見えなかったが嫌な気配が漂う空間にお前が喋りかけて国民を守ろうとしてんのを見て、ぶっ倒れた後に助けに行ったんだと…」 コン「守ろうと…ねぇ…」 トマス「霧が晴れて俺も途中から見てたが…ローランヤベェ事になってるのな…あの後お前の言った様に、娘さんと奥さん喰って帰ってったよ…」 コン「…不幸中の幸いだね…被害は最小限に抑えられただろう…?」 トマス「…お前あぁ言ってたけど…レナルド王の魂は“こっち”には来ていない…」 コン「…堕ちていたか。残念だよ。 ふふ…ローランがまた来た時は…君達の仕事かな…?」 トマス「だろうな…でもまぁ、本当に最悪の事態は逃れられたっしょ、後の事は後の事をやるやつに任せりゃいい。 あぁ国もお前の事も、アイツがみんな説得してたっぽいから、傷が癒ったら引っ張りだこだぜ?」 コン「まだ私をこき使う気か?!ここで死んで私も君達の元に向かおうと思っていたのにぃ…」 トマス「怨念を纏いし悪魔から国を守った英雄だとよ!腹括っとけ」 コン「うっわ絶対嫌だ…英雄とか嫌い…殺して…」 トマス「そーんな顔すんなよ、俺達上から支えっからさ」 コン「…仕方ないなぁ…想定外だが、カーテンコールの即興劇になるが…最後まで踊ってやろう」 トマス「…お前の喋り方ほんと訳わかんない時あるよな…」 コン「私はこの世とあの世(異世界)のコネクター(connector:接続子)だからねん?」 トマス「はぁ…?」