ついにやった!
かの残虐非道で傲慢な国王ローラン・ヴァセランを処刑にまで追い込み、私自らの手でその首を切り落としてやった…!どうだこの悪魔め!欲に塗れた薄汚い悪魔め!
奴は国の金を全て我が物とし、食物も全て城に蓄え、川の上流を堰き止め水すらも国民に与える事なく使い尽くし、人の命を駒の様に扱い戦場に送り幾度となく殺してきた!
そんな下劣も首さえ落としてしまえばあっけないものだ!!!
…これでこの国は安定するであろう!
国王など奴に比べればマシな奴などいくらでもいる!そうだ!いくらでも…
コン「…討伐おめでとうございます。レナルド団長」(控えめな拍手)
…そうだ、コンフォヴァール・イェーツ。
この男の協力でなし得た国王討伐だ
革命が成功しなければ、2人共々反逆者として処刑、そうでなくてもこいつは国王ローランに使えていた王国騎士、団長であれ反逆者である私をその場で叩っ斬ってもおかしくない地位。むしろそうでなくてはならない。さすれば今以上の地位も権力も手に入れられたであろう…
しかしあろう事か私の愚行を野放しに、それどころか王殺しに協力した…
この男は何が目的だ…?王を殺した先には?…己が王となる事か…?
フン、かの伝説のコンホヴァル王を文字った名の男だ。王の座に相応しいかも知れぬ。
レナルド「貴公の協力の末よ…感謝しきれない…どうだ?少し汚れているが王の座は空いた。貴公ならよい指導者となれるだろう…王になる気はないか?」
コン「滅相もない!私(わたくし)は従う者。“王の座”の穢れを取り除き、磨き、そして主人(あるじ)の帰りを待つ者です故」
レナルド「…主人?」
コン「えぇ…ですから。“この”席は貴方様の物です」
__目的がわからないな…
コン「この国は王を失い、混沌に陥るでしょう…悪しき王でも王は王。次なる指導者が必要となります。我らが騎士団、総員で、貴方様が王にふさわしいと声を揃えております」
レナルド「…しかしこの作戦も貴公が提案したもので…」
コン「ですから。私が。お側におりましょう。この国を導くのは。貴方なのです。」
レナルド「…わかった、だが一ついいか?貴公の目的は何だ?何故私に尽くす」
コン「全て。余興を味わう為」
レナルド「余興…?」
コン「国王陛下レナルド様。ひとつ。私の願いをお聞きください」
レナルド「…なんだ」
コン「笑いましょう。この世全てを」